2024/03/17 14:54
ベトナム ラダー農園 ウォッシュ
生産地 | ラムドン省 ダラット市 カウダット地区 |
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精製 | ウォッシュ |
標高 | 約1,600m |
品種 | カティモール |
クロップ年 | 2023年4月入港 |
生産者 | Tri Dung Buiさん |
乾燥 | 温室内でのアフリカンベッド乾燥 |
サイズ | 15up |
認証 | なし |
栽培・農薬の使用 | シェードグロウン、栽培期間中、必要に応じた農薬や化学肥料使用あり |
ダラット中心部から車で30分程度南に行ったところに、DungさんのRader farmは位置しています。Rader farmの由来は、敷地内にある鉄塔から。この鉄塔はベトナム戦争時代に情報収集のためのレーダーとして使用しており、それが農園のシンボルとして今もなお残っていることから名づけられました。彼の家は父親の代からアラビカ農家さん、彼の暮らしは子供のころからコーヒーに囲まれていました。大学卒業すると、すぐに父親のもとで家業の手伝いをスタートさせ、栽培技術やコーヒー加工にまつわる知識を吸収してゆきます。そして、今では独立し、国から現在の土地を借り、ラダーファームの農園主として妻と2人高品質なアラビカ作りに日々励んでいます。広さ12ヘクタールほどの農園では約36,000本のアラビカ種が植えられ、敷地内にはウェットミルはもちろん、ドライミルを併設しています。一貫したスムーズな精製が可能となり、精製はほぼ全てがウォッシュドプロセスですが、単一品種のロットや発酵を取り入れた高品質なマイクロロット作りを得意としています。ドライミル内は非常に清潔に保たれており、パーチメント、または乾燥済チェリーはロット分けがされ静かに保管されています。今回のクロップはラダー農園の周辺農家さんが育てたチェリーを使用したクロップ。Dungさんがコミュニケーションを密にし、その目で品質を確かめたチェリーはメインストリームのとは甘さが違うんだとお話ししてくださいました。
ダラットは標高が高く、高温多湿な気候の土地が多いベトナムでは珍しく、年間を通して冷涼で、年間平均気温が15℃~28℃と過ごしやすい気候です。ベトナム国民からは、避暑地やハネムーンの定番として知られており、日本で言う「軽井沢」のような街です。週末になると、電車や車でホーチミンから観光客が詰めかけ、夜にもなれば町の中心部にあるマーケットには彼らや地元民たちが集まり活気に包まれます。また、その気候を生かして、コーヒー(アラビカ種)栽培はもちろんのこと、ユリやバラなどの花の栽培や、レタスやブロッコリーなどの高原野菜の栽培が盛んに行われ、ダラット産の作物はプレミア価格がついて高値で取引されています。アラビカ種の一大産地であることから、街には焙煎機を構え、ダラット産のコーヒーを扱うショップも増え始め、いわゆるベトナムフィン以外の抽出方法、エスプレッソやペーパードリップなどでもコーヒーを提供しています。また、収穫期である12月~2月頃は雨が多く、ダラットで作られるコーヒーの90%以上がウォッシュドでの精製。ナチュラルやハニーを行うには気候的に難しいエリアです。そのため、今回のDungさんら、地域の生産者さんはウォッシュドプロセスの中でいかにして良い香味のコーヒーを作るのかを研究し、品種、精製中の酵母などの微生物の添加、発酵時間の調整など、独自の精製の進化を遂げています。